当院は昭和44(1969)年に前田胃腸科外科として創設され、昭和51(1976)年に鹿行地域で初めて透析施設を開設しました。その後、透析医療に特化し、人工透析・腎臓病・シャントアクセス治療を主たる専門として診療を行っています。また、長期入院の必要な透析患者さんでも受け入れの可能な療養病床を備え、他方で、透析の内シャント手術や人工血管移植の手術も行っています。
当院バスキュラーアクセスセンターでは、2003年以降、総計3500件を超える血管カテーテル治療(PTA)を私が担当し、良好な実績を残してきました。そうした実績を御評価頂き、3つの学会から(2021年には日本透析アクセス学会と、透析バスキュラーアクセスインターベンション治療医学会から、2023年には日本透析医学会から)、 VA 血管内治療認定医の認定を頂きました。これからも安全かつ良好なシャントアクセス治療を行うように心がけて参ります。
日本全体に目を転じると、透析医療がもたらされて、約50年余りが経過しました。日本全国の医師・透析医療従事者のたゆまぬ努力のおかげで、日本全国どこへ行っても、標準的な透析医療を受けられるようになりました。また、日本の透析技術は、世界でトップクラスの水準を誇ります。
世界に誇れる透析医療。我々はそうした素晴らしい医療に従事できる事を意気に感じ、出来るだけ質の高い透析医療を鹿行地域の皆様に提供できるよう、高い志を抱いて日々の医療に励んでおります。
一方で、茨城県は人口10万人当たりの医師数は全国でも下位に位置することが長年続いています。その茨城県の中でも「県内較差」がありますので、鹿行地域はさらに厳しい状況にあります。 ですから地域内の各透析施設の協力・連携が重要であるのは明らかです。
2010年以降だけを取ってみても、東日本大震災や度重なる台風による風水害、全世界的なコロナウイルス感染症の流行などにも負けず、各透析施設がお互いに支え合って乗り越えてきました。各々の病診連携も年々進み、鹿行エリア外の基幹病院の支援・サポートも年々手厚くなってきています。
当院は、これからも地域の透析医療の一翼を担う存在として努力を重ねて参ります。
至らない点も多々あるかと存じますが、粘り強く改善と努力を続けますので、今後も皆様の御指導を頂けますようお願い申し上げます。
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