(1)血尿が出た
泌尿器科的疾患である、尿路結石、尿路癌、尿路感染症などと、腎臓内科的疾患である腎炎などが考えられます。血尿以外にどんな症状があるのか、尿の中にどんなものが混じっているのか、血液検査に異常がないか等を外来で調べて検査を進めていきます。
自分でみてわかる血尿(肉眼的血尿)があった場合は、何らかの病気が存在している可能性が非常に高いとされています。また、健康診断や人間ドックで指摘された「尿潜血」「顕微鏡的血尿」の場合も尿路の癌の可能性がないとは言えないので泌尿器科の受診をお勧めします。
(2)尿の勢いが悪い、回数が多い
これらは、「年のせいだから。。。」とあきらめてしまっている方々も多い様です。
「尿の回数が増えた」「尿が出るまでに時間がかかる」「尿の勢いが弱い」「尿が漏れる」「尿を出すとき痛い」などの症状があるときは膀胱から下の尿路、つまり膀胱、前立腺、尿道の病気が考えられます。このなかで中年以降の男性に多いのが前立腺肥大症です。最初は「尿を出しても残った感じがする」「夜中に排尿のために起きる回数が増えた」「尿の勢いが悪くなった」という症状ですが、放置すると残尿(排尿したあとに膀胱に残る尿)が増え、尿が漏れ始め、さらには尿が出なくなり、尿毒症になってしまうこともあります。また、前立腺癌でも肥大症と同じ排尿異常を初発症状とすることも多く、症状からはこの両者を区別する事はできません。前立腺癌の診断には、PSAというすぐれた腫瘍マーカー(血液検査)が存在し、早期発見、早期治療が可能になっています。50歳以上の男性では、年に1回程度のPSA検査が推奨されています。
(3)脇腹がたまらなく痛い
突然、腰から脇腹にかけて激痛が起こったら、しかも痛みが左右どちらかに偏っていたら、尿管結石の可能性が高いと思われます。これはすべての病気の中でも一番痛い病気だと言われています。外来で尿の検査で血が混じっていないか、レントゲン検査で結石が写っていないか等を調べます。とりあえず、痛みをとって、結石の大きさと場所、腎臓の機能を調べてから治療方法を選択します。尿路結石は繰り返す傾向がありますので、再発させない注意も必要です。
(4)陰嚢が腫れてきた
陰嚢内の臓器の病気です。精巣上体炎、精巣炎、精巣腫瘍、陰嚢水腫、精液瘤、精索軸捻転症などが考えられます。他の症状や尿の検査などを組み合わせるとおおよそ診断はつきます。
(5)尿道から膿が出た
性病による尿道炎である事も多く、その殆どの原因菌はクラミジアと淋菌です。特に淋病は一時下火になっていましたが、近年、抗生剤への耐性菌が多数出現しています。クラミジアと淋菌に対して望ましい抗生剤は異なるため、両者の区別が重要です。性病で前立腺炎や精巣上体炎を生じることもあります。
(6)EDだと思ったら
少数の例外を除き、バイアグラ、レビトラ、シアリスなどの性機能改善薬が有効です。硝酸剤(ニトロ)内服の有無を確かめ、狭心症が負荷心電図で誘発されないことを確認してから処方します。EDについては、全額、自費診療となります。
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