給与や手当についての当院の基本的な方針
給与および手当において、鹿行地域の他の医療機関と比較して、同等レベルもしくはそれ以上の水準を維持できるように努めています。当院の採用担当者が、職業安定所や求人広告等で、地域の状況を定期的にチェックしています。
しかし、例えば携帯電話の通話料金は年齢割引やギガ割引など各社様々なプランが出ていて、比較できないように「工夫されて」いるように、医療従事者の募集広告においても、最初から夜勤の回数が複数日分給与に組み込まれていたり、諸手当が合算されていたりして「純粋な比較ができない」ケースが大半です。
それに対して、当院では年収ベースで他と比べ同等もしくはそれを上回るよう支給できるように努めたいと考えています。
もちろん、年収は卒後間もない人とキャリア20年の人では当然のように異なるという実情はあります。ですから当地域へ転入する方などは、前職の年収を尊重して検討致します。
追記事項
近年、医療従事者の職場環境が厳しくなっているのは報道等を通じて国民の皆様に幅広く知られるようになりました。国(厚生労働省)も、そうした状況に強い危機感を抱き、別記の「ベースアップ評価料」など様々な対策が行われています。
(厚生労働省による)2024年度ベースアップ評価料について
医療従事者の処遇改善は2024年度診療報酬改定の主要テーマの一つでした。他産業の賃上げ傾向とバランスを取ることを目的に、外来・在宅および入院ベースアップ評価料の新設や、初再診料等、入院基本料等の引き上げが行われました。このうち、ベースアップ評価料による収入は全額、対象となる従業員の賃上げに充てることを要件化しています。しかし、この対象に医師や事務職員を含まないなど(一定条件を満たせば、40歳未満の医師や事務職員などは対象に含めることが可能)、国による賃上げ誘導は対象職種によっても異なっています。
厚生労働省は、医療機関の賃上げ率について2024年度はプラス2.5%、2025年度はプラス2.0%という目標値を示す一方で、2024年4月26日に発出した事務連絡では「現行の賃金水準が低い職員・職種に重点的に配分するなど、対象職員ごとに賃金改善額に差をつけて差し支えない」とするなど、賃上げの対象や配分方法は医療機関に委ねています。このため、そもそもベースアップ評価料を「算定しない」という選択肢も含め、民間の医療機関では経営陣の様々な考え方によって、今年の改定を受けた賃上げ対応にかなりのばらつきが生じているのが現状です。
以下に当院のベースアップ評価料に対する今回の対応を御説明します。
ベースアップ評価料に対する当院の対応
当院では、今回の手当は4000〜12000円(平均8800円)で、その結果、賃上げ率は平均3.0%(賞与、法定福利費の事業主負担分を含まない)となりました。内訳は、外来・在宅ベースアップ評価料(I)と入院ベースアップ評価料によるものが2.3%、定期昇給が0.7%となりました。看護職員の中でも、夜勤従事の看護師により手厚く支給する方針としました。(12000円昇給)
厚生労働省の案では、ベースアップ評価料の対象に事務職員を含んでいませんが、物価高騰の影響がより大きい職種にも配分するべきと判断し、事務職などベースアップ評価料の対象外職種でも8人を支給対象者に追加しました。 |