良質な透析医療を提供するために各職種が協力しあって、
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慢性腎不全は長年つきあう病気です。患者さんや御家族のニーズは多岐にわたります。そのため透析医療に関しても、様々な職種の総力を結集して行って行くチーム医療が求められるようになっています。当院のチームを御紹介します。 医師1994年以降、長年に渡り透析医療に従事してきた院長が中心となって、チームを作り、皆様を支えています。 以下、各職を御紹介致します。 臨床工学技士透析医療機器や透析技術は年々複雑化する一方です。私達はその保守・管理・点検などに、機器・システム管理のプロフェッショナルの立場で活躍しています。 臨床工学技士全員が、血管超音波(血管エコー)に習熟しており、穿刺の難しい患者さんの場合、エコー下で穿刺を行っています。また、看護師など他のスタッフにも、エコーの指導や、エコー下穿刺の指導も併せて行っています。 看護師看護師は、皆様の透析生活の御不安やわずらわしさが少しでも軽減されるように努めてまいります。また、皆様との何気ない世間話や共有させて頂く時間を通して、透析生活を続けていく支えになれたら嬉しいと思って仕事をしております。医師には直接話しにくいような事も含めてなんでも御相談下さい。 フットケアチームも定期的に活動しており、透析の方に多い下肢の病気の早期発見や経過観察にも力を入れています。全国の透析患者さんの20人に1人(約5%)に下肢切断歴があるという統計がありますので、透析の内シャントの管理と比べても劣らないくらい大切な日常の管理の一つです。他人に足を見られるというのはちょっと抵抗があるという方も少なくありませんが、皆様ぜひ御協力下さい。 慢性腎臓療養指導看護師(DLN) 2名、透析技術認定士 12名
放射線技師当院は、シャントアクセス治療に力を入れていますので、カテーテルによる血管内手術(PTA治療)を多く行っています。シャントの血流が急に悪くなった時、閉塞してしまった時など、その日のうちにすぐ対応できるよう透析医と連絡を密にしています。もちろん、日頃から定期的に血管超音波検査を行って、シャントの不具合を早期に見つけて、閉塞する前に治療につなげる事を重視しています。他にも、頸部・心臓・腹部などの超音波・レントゲン・CTも担当し、全身合併症の早期発見に努力を重ねています。 管理栄養士糖尿病療養指導士・院内調理室とも協力して、透析患者さんの食事・生活などに様々な御提案をしております。 また、外来・入院を問わず、食事メニューを日々考案し、院内の調理スタッフと共に、皆様に御提供しています。御存知のように透析食は、様々な制限があります。でも、制限ばかり厳格で、おいしくなければ長続きしませんよね。度々スタッフ会議で議論しつつ、改良を重ねています。 管理栄養士 2名在籍
糖尿病療養指導士近年、糖尿病もしくはその疑いのある方を含めると全国で約2000万人(平成28年)にものぼります。また、維持透析に至る原因として、糖尿病は全体の約半分を占めるまでに増加しています。透析が始まった後も、網膜症や脳・心臓・下肢等の糖尿病による血管合併症の発症予防・増悪防止には、ずっと取り組まなくてはなりません。「血糖値を適正に管理して行く事」が、そのために何よりも重要となります。食事・運動・お薬の事、気になるサプリやテレビで見た健康法など、私達に何でもおたずね下さい。 日本糖尿病療養指導士(CDEJ) 1名在籍
腎臓病療養指導士 わが国の慢性腎臓病(CKD)患者の推定数は成人人口の8人に1人に上り、高齢化、生活習慣病の増加を背景に今後も増えることが見込まれています。CKDは、腎不全進行のみならず心血管疾患発祥のハイリスクとなるため、早期からの取り組みが重要となります。 腎臓病療養指導士 1名在籍
院内調理室 管理栄養士さん達から指導や助言を頂いて、少しでもおいしい御食事を提供できるよう頑張っています。また、院内行事などの時には、私達から御提案をさせて頂く事もあります。 薬剤師透析を受けている方の内服薬は、腎機能が悪くない方と比べて、管理が格段と難しくなります。同じ用法・用量で良い場合もありますが、用法・用量を減らしたり・変更したりしなくてはいけない場合も頻繁にあります。腎機能の悪い方には、使用禁忌の薬も多数あります。また、食前・食後などの内服方法を誤ると効果が格段と落ちる薬もあります。私たちは、学術論文、インターネット、製薬会社の薬剤情報担当者との連携、薬剤師同士の地域の勉強会などを通じて、お薬に関する最新の情報をいつも把握するようにしています。お薬の効果や副作用の事、気になる健康食品やサプリなど、何でも私たち院内薬剤師におたずね下さい。 院内薬剤師 2名
送迎担当運転手鹿行地域は域内の公共交通網が脆弱である一方、御自身で自家用車等の移動手段を持たないいわゆる「交通弱者」の方が多数いらっしゃいます。御高齢の方も増えて来ています。週に何回も透析を受けるだけでも大変ですのに、透析後に車を運転して帰ったり、御家族が迎えにいらしたり・・・。その御負担を少しでも軽くさせて頂きたいという想いで、当院は、透析の方に無料送迎車を御用意しております。(車イスのままでも送迎車の御利用が可能ですが、いくつかの条件があり、事前の調整が必要となります) カバーできる範囲・時間には限りがありますが、できるだけ多くの方のお役に立ちたいと思っております。そして私達ドライバーは、何より「安全・安心・快適」な車内になりますよう努めてまいります。 ※ (送迎車は原則として相乗りですので、コロナウイルスのみならず感染症に罹患した際は送迎ができません。治癒するまでの間は御自身で交通を手配して来院して下さい。) 臨床検査技士 ≪(株)江東微生物研究所≫の臨床検査技師が院内に毎日常駐しており、主要な項目は、診療時間内であれば1時間以内に緊急検査結果を出すことができます。 非常勤専門医透析を受けていらっしゃる方には様々な合併症や体調不良が出ると思います。いくら透析専門医と言っても、全てを院長が診察できる訳もありません。そこで、院長の足りない部分を補うべく、専門医の先生方が、当院へ定期的にいらして下さっています。泌尿器科・皮膚科・消化器・循環器・外科など様々な専門医の診察を当院内で受ける事が出来ます。一部の先生方は、透析以外の方の外来診療も行って下さっています。また、患者さんを診察して頂く以外に、院長に対して、透析や日常診療上の助言・アドバイスを下さっており、小規模医療機関が陥りがちな独善的な医療にならないよう指導して下さっています。 (右記全て非常勤のみカウント) 泌尿器科専門医1名、VAIVT認定専門1名、
皮膚科専門医1名、循環器専門医1名、 がん治療認定医2名 他院・他職種連携担当者私達の業務はとてもたくさんあります。 (1)病診連携業務上記のように、多くの専門医が、当院の透析患者さんの診察に来て下さっていますが、一方で、患者さんと各々の医師との「相性」というのもありますでしょうし、慢性的な合併症が改善せず、他の病院の医師の診察を受けたくなる事もあるでしょうから、当院で無理に専門医の診察を強いる事もありません。その時は、きちんとした診療情報提供書(紹介状)を作成させて頂きますので、遠慮なくお申し出下さい。 鹿行地域内の各専門医(開業医)へ、そして、鹿行の中核病院となっている3ヶ所の医療機関へ、そして鹿行地域外の基幹病院へ、私達はいつも連携を密にしています。茨城県は、人口10万人あたりの医師数が少ない県です。加えて、鹿行地域は、その茨城県の中でも人口当たりの医師数が格段に少ない地域です。どこかの巨大病院へお願いすれば全て解決という地域でもありません。中小規模の医療機関が、それぞれの分野で支えあって、日々の医療を提供しています。 そうした医療環境ですので、医療機関同士の相互協力は不可欠です。私達、医療連携担当者は、当院の得意・不得意な部分を分析する一方で、不得意な部分をカバーして下さる医療機関をいつも探し、連携を密にしています。(大きな医療機関では、医師の移動や退職は珍しくありませんので、情報をいつもアップデートしておく必要があります。) もちろん、内シャント治療や療養病床など、当院の重点分野については、逆に当院へ御紹介を頂く事もございます。 また、災害時や危機管理において、身近な透析施設との連携はとても重要になりますので、鹿行地域内および近接地域の透析施設との協力・連携を重視しています。
(2)介護連携業務透析の方に限りませんが、鹿行地域全体として高齢の方が増加しています。公共交通網の脆弱な地域ですので、通院はおろか、日々の買い物や、入浴、生活の維持にも困る方が増えています。介護保険を始めとする公的な扶助・補助制度について、ほとんど御存知ない方も少なくありません。患者さんのニーズを見極め、必要な制度を御紹介し、また、主治医意見書など必要な書類を作成します。また、各介護事業所のケアマネージャーや介護施設、地域包括支援センターと連携を密にして、必要な介護サービスを皆様へ迅速に御紹介・仲介できるよう努めてまいります。 ■鹿嶋市にある4ヶ所の地域包括支援センターについてはこちら。 (3)行政との連携上記(2)に重なりますが、透析関連の公的手続き書類、介護保険や様々な公的扶助・補助制度の書類作成、行政への連絡などの業務も、私たちが承っております。 (ただし、広域大震災などの災害時透析ネットワークや、新型インフルエンザ、コロナウイルス感染症のような危機管理案件における行政との連携は、院内感染防止対策委員会、災害対策委員会、そして院長が直接担当しています。) |
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